tohimoto's Diary

岡山を中心とした鉄道写真や旅行記などを載せています。

鉄道無線傍受のはじめ方

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鉄道無線をご存知でしょうか。列車の運行には指令所との連絡が欠かせません。そこで連絡手段として使われているのが鉄道無線です。また、鉄道無線は運転士、車掌と指令所の間の連絡だけでなく、駅員や保線員の連絡にも使われている連絡方法です。
無線の内容は
・列車のトラブルについて
・遅れている列車の接続について
・乗務員への忘れ物の捜索依頼
・到着ホームの変更の連絡
など多岐にわたります。トラブルや接続に関する内容は実際に旅行中でも役に立ちます。
自分が鉄道無線を聞き始めたとき、ネットの情報ではわからないことが多かったので、主に鉄道無線の中でも乗務員と指令所との連絡手段に使われるJR在来線の“列車無線”を聞く方法について電波法に触れない範囲でまとめてみます。

(最終更新:2017/8/28)

そもそも誰でも聞けるものなのか

鉄道無線は基本的には沿線にある基地局から電波を送信し、各列車の屋根についているアンテナで電波を受信し交信します。線路の近くなど電波の受信できる範囲にいれば、一般の人でも1万円台から買えるその電波が受信できる受信機を用意すればかんたんに聞くことが出来ます。受信できる範囲は基本的に線路から500m~1kmくらいの間だとは思いますが障害物などによって変わってきます。また、家でなくてもハンディタイプの無線機であれば列車に乗車しながらでも聞くことが出来ます。
また、無線を聞くとなると盗聴では?と思う方がおられるかもしれませんが“無線を聞く”こと自体は“無線傍受”という行為にあたり違法ではありません。ただし、電波法によって傍受した内容を他人に漏らすことは禁じられていますので注意が必要です。

電波法 第59条(秘密の保護)
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第4条第1項又は第164条第2項の通信であるものを除く。第109条並びに第109条の2第2項及び第3項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。

おすすめの参考本

ネット上で鉄道無線について詳しく解説しているページはあまり見かけません。ですので、始める際は解説してある本を読むことをおすすめします。
以前は鉄道無線に特化したないようの本もあったのですが、現在発売されていません。しかし、鉄道無線を含めた“おもしろ無線”を特集した本として何冊か発売されていますのでご紹介します。
まずは、三才ブックスから出版されている2017年発行の「ゼロから始める受信入門2017 最新版」です。こちらは初心者向けに鉄道無線も含めた様々な無線の受信の基礎内容が掲載されています。

次に、こちらも同じく三才ブックスですが、2016年発行の「おもしろ無線受信ガイドver.17」にも受信に関する内容がまとまっています。

列車無線の種類

デジタル無線とアナログ無線

まず、JRの在来線の無線にはデジタル無線アナログ無線があります。受信機で聞くことができるのはアナログ無線が導入されている路線で首都圏などデジタル無線が導入されている路線では残念ながら聞くことが出来ません。JR西日本の管内でもデジタル化計画が進められていて主に関西エリアでは今後10年以内くらいには聞くことができなくなってしまいます。しかし、私鉄路線ではアナログ無線が使われていますのでそちらを聞くのもおすすめです。

A,B,Cタイプ

JR在来線の無線はA,B,C,Dタイプの3タイプに分けられています。
AタイプはJR東日本管内で現在デジタルしている路線で使われていた方式で今では聞くことが出来ません。
BタイプはJR東日本の一部路線、JR東海のほとんどの路線、JR西日本の主に関西エリアの路線で使われている方式です。Bタイプでは基地局から常に空線信号と呼ばれる音が流されているため受信機は空線信号を消す「空線信号キャンセラー」を搭載したものが必要です。ただ、ほとんどの受信機に搭載されているため特に心配はないと思います。
Cタイプは地方路線を中心としたJR各社の残りほとんどの路線で使われている方式です。Cタイプは空線信号が出ていないためキャンセラーは不要ですが交信しているときしか電波が出ないためその場所で受信できるかを知るには交信があるまで待ってみなければわかりません。ちなみに岡山地区のJR在来線では全てCタイプが使われています。
DタイプはJR東日本JR西日本(関西エリア)のデジタル化した路線で使われているタイプのため聞くことは出来ません。
近年、大都市圏を中心にデジタル化が進んでおりJR東日本では首都圏を皮切りに地方路線でも、JR西日本では今年に入り宝塚線JR神戸線JR京都線琵琶湖線奈良線でデジタル化が進行しています。(2017/8/27現在)デジタル化した線区では傍受することができないのでご注意ください。

私鉄

自宅からは私鉄の鉄道無線が受信できないため聞いていませんが私鉄でも鉄道無線は使われています。関東では沿線の基地局からの電波のようですが関西では山の上に基地局があり、広い範囲で受信できるようです。詳しくは上で紹介した本などを参照ください。

必要なもの

受信機

まず、鉄道無線を聞く際には受信機が必要です。受信機はラジオのように電波を受信して音声に変換するものですが一般的なラジオでは周波数帯が違い聞くことが出来ません。そこで鉄道無線を聞く際には「広帯域受信機」を用意します。広帯域受信機は様々なメーカーからたくさんの種類のものが発売されていますので自分にあった機能などを調べ用意しましょう。価格は1万円台のハンディ機から数万円するモービル機までありますが、安かろう悪かろうではなく安いものでもしっかりと聞くことができ、コンパクトなものもあります。
ちなみに自分が使っているのはアルインコのDJ-X7という機種。
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非常にコンパクトで持ち運びに便利です。コンパクトだからといって受信感度が悪いとかいうことはなく快適に受信できます。
しかし不便な点もありイヤホンジャックが2.5mmジャックという点です。付属のイヤホンは2.5mmなのですが、一般的なイヤホンは3.5mmジャックなためアダプタをかませて使っています。

ALINCO 広帯域受信機 カードサイズレシーバー DJ-X7

ALINCO 広帯域受信機 カードサイズレシーバー DJ-X7

価格は上がりますが、同じアルインコの最新機種DJ-X81はワンセグ音声や緊急警報放送の受信にも対応しています。

ALINCO 広帯域受信機 ワイドバンドレシーバー DJ-X81

ALINCO 広帯域受信機 ワイドバンドレシーバー DJ-X81

アンテナ

電波を受信するためにはアンテナが必要です。DJ-X7のようなハンディ機には付属のアンテナがついているためそれでも十分聞けますがより電波を受信したい方は部屋の外に出せるようなアンテナを買えばいいと思います。自分は外出時は付属アンテナを使っていますが、家ではダイアモンドアンテナのMR73Sを窓から出して使っています。アンテナを準備する際は周波数に合ったものが必要なためそれぞれのタイプの周波数に合うアンテナを準備しましょう。

第一電波工業 ダイヤモンド  144/430MHz マグネットマウントアンテナ(SMA-P) MR73S

第一電波工業 ダイヤモンド 144/430MHz マグネットマウントアンテナ(SMA-P) MR73S

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MR73Sを繋ぐとこんな感じで。左上につながっている3mコードの先にアンテナ本体があって窓から外に出しています。

周波数を調べる

受信機を買っても周波数に合わせなければ受信できません。周波数は路線やタイプごとに違うので調べるには周波数が一覧されている本を使います。本も様々な種類がありますが上で紹介した「おもしろ無線受信ガイドver.17」の付録のデータブックがお手軽だと思います。また、更に詳しい周波数をまとめた「ラジオライフ手帳ワイド」もおすすめです。

聞いてみよう

まず受信機を用意して調べた周波数に合わせます。基地局と移動局(列車側)とがある場合は基地局の周波数に合わせます。Bタイプの場合は空線信号が出ているためメーターが振れると受信できていることがわかります。そのまま交信を待ちましょう。Cタイプでは周波数を合わせても変化がなく心配になるかと思いますが交信があると音が出ますのでそのまま窓際にでも置いていれば鳴るはずです。ただし特に地方ではそんなに頻繁に交信があるわけではないので根気強く待ちましょう。
また、近くに数路線通っている場合は複数の周波数で交信している周波数をサーチする受信機のスキャン機能を使います。スキャンを掛けていればどれかの周波数で交信があったときにスキャンが停止し聞くことが出来ます。Cタイプは3波ありますのでこれもスキャン機能で受信しましょう。

注意点

最初にもご紹介しましたが、無線の傍受は認められていますが、その内容を他人に漏らすことは違法となります。外で無線を聞く時には必ずイヤホンをしましょう。また、内容のネットへの投稿では実際に書類送検された例もあります。
www.sankei.com
決まりはしっかりと守って無線傍受を楽しみましょう。

おわりに

基本的な説明は以上です。詳しくは書籍や無線機の説明書などを参考にしてください。今回紹介しなかった私鉄の無線や保線員の無線など詳しく載っているものもあると思います。簡単な説明でしたが、これから鉄道無線傍受を始める方に少しでもお役に立てれば幸いです。
本の紹介が三才ブックスのものばかりになってしまっていますがただ単に無線関係の本を発行しているのが三才ブックスばかりというだけです()

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